少しでも支えになれていたら良かった

大学生の時、敷地内にある学生寄宿舎に入っていました。
1フロアに一人用の個室が4~6室あり、洗濯機、台所、トイレが共用になっていて、まるでシェアハウスみたいな空間でした。
大学3年生の後期に合わせて女子棟が新しく建設され、引っ越しをしました。共同で使うフロアや個室は冷暖房完備。おまけに、お風呂とシャワー室まで付いていました。
新築だし、設備が良いので入居費が倍になり、払ってくれていた両親に申し訳なかったです。
入居費は高かったけど、オートロックがあったり、監視カメラがあったりなど、セキュリティがしっかりしていたのでほっとしました。
残りの1年半、こんなに良い思いをしてしまって、罰が当たらないだろうかというくらいでした。
便利になった反面、他のフロアの人との交流が減ってしまわないか心配していました。
新築になる前は、お風呂が別棟にあったので、他のフロアの人と会う機会が多く息抜きができたのです。
ルームメイトとの相性が悪くても、お風呂に行けば他のフロアの人に会えるので話をして気分転換ができました。
でも、新しい棟はお風呂まで付いています。
全部一つのフロアで完結してしまうから、ルームメイトとの相性が悪かったら息が詰まってしまうでしょう。
幸い、私はルームメイトに恵まれていたので特に問題はなかったのですが、他のフロアにいる人たちが気になりました。
そして、その心配していた「まさか」が起こってしまったのです。
ある日、掲示物を見に行こうと外に出ようとしたら、玄関フロアの自動ドアが開けっぱなしになっていました。
バタバタと荷物を運び出す音が聞こえます。
春休みだったから「新入生の荷物かな。それとも卒業される先輩の引っ越しかな。」しばらく様子を見ているとお母さんらしき人に声をかけられました。
「この入り口って勝手に閉まっちゃうんですよね。外から開かないのですよね。」外部の人が入れないように、外のタッチパネルにカードキーをかざさないと開かない仕組みになっていました。
誰かが中から出て来ない限り開かないので、友達の部屋番号をダイヤルして中から開けてもらうか、玄関から誰かが出て来るのを待って入るしかありませんでした。
「そうです。失礼ですが、もしかして新しく入居される方ですか?」と、なんとなくそのまま通り過ぎることができなくて話しかけてみました。
すると、お母さんらしき人から衝撃の一言が!「実は退学なんです」
まずいことを聞いちゃったなと胸が痛みました。
「私、○○の母です。娘は退学して地元の学校に入りなおすのです。精神的につらかったようでして。」・・・。
せめて「お風呂が共同だったら少しは、息抜きができただろうし、もし一緒になったら支えになれたかもしれなかったのに。」そんな風に思いました。
それと同時に、新しい寄宿舎になる前のことが思い出され、仲良くなった人のほとんどがお風呂で出会った人だったからです。
授業のこと、生活のこと、いろいろな不安や葛藤があったのかもしれません。
「共同のお風呂だったら『こんばんは』の一言で、話すきっかけ作りができたのに」と複雑な気持ちでした。
今後、家族以外の人と共同生活をするかどうか、わかりませんが、もしも共同生活をすることになったら干渉しすぎず見守りたいなと思っています。
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